鹿児島から世界へ――メローに香る、潮風と煙 ― 嘉之助 シングルモルト PEATED の真髄 ―

鹿児島から世界へ――メローに香る、潮風と煙 ― 嘉之助 シングルモルト PEATED の真髄 ―

九州・鹿児島県日置市。温暖な南国の風と、日本三大砂丘“吹上浜”の潮風が交わる地に建つ嘉之助蒸溜所は、今や世界に注目されるジャパニーズクラフトウイスキーの旗手となりつつあります。
その最新作が、ピーテッドウイスキーとして新たな息吹を感じさせる
嘉之助 シングルモルト PEATED(ピーテッド)。
やわらかく、上品で、スモーキー。
“メローな時間へ誘う”というフレーズに象徴される、南国生まれのピーテッドモルトを徹底解剖します。

熟成と潮風が紡ぐ、芳醇なピートの余韻

― バーボン樽×焼酎リチャー樽の融合
このボトルのキーモルトは、バーボン樽と、焼酎リチャー樽で熟成させたピーテッド原酒。
それらを厳選された複数の樽とともに丁寧にヴァッティングし、48度という絶妙な度数でボトリングされています。
ピートと聞くと、強烈なスモークを思い浮かべるかもしれませんが、「嘉之助 PEATED」のピート感はあくまで穏やかでエレガント。
潮のニュアンスや、和風出汁のような旨味の層を感じさせる、ユニークな個性が光ります。

テイスティングノート

― 甘み、酸味、塩味が共演する“和のピート”
色合い:淡いべっこう色。どこか和菓子の飴色を思わせる落ち着いた色調。
香り:カシス、キャラメル、ハニーバターの甘やかなトップノートから、優しく焼けたバゲット、出汁のような旨味香へと移り変わる。
味わい:カリン飴、金柑のコンポート、洋梨のジューシーさにスモークベーコンや塩飴、きな粉が重なり、和洋折衷の味覚世界を構築。
フィニッシュ:カリンの酸味とほんのりシトラスのビターが長く続き、次の一口へ誘われる。まさに“メローな時間”の余韻。

南国・日置の自然とともに

― 「潮」「風」「夕日」に育まれたジャパニーズ・テロワール
嘉之助蒸溜所が位置するのは、鹿児島県薩摩半島の西海岸・日置市。
目の前には東シナ海、背後には300m級の山々が連なる風光明媚な地で、吹上浜という日本三大砂丘の一つに数えられる場所でもあります。
ここでは冬になると大陸からの冷たい風が吹き付け、蒸溜所周辺は白い霧に包まれることも。
この潮風と寒暖差のある環境が、樽熟成の味わいに微細な変化を与え、唯一無二の風味を生み出しています。

1883年からの系譜

― 神に捧げた酒から、世界へ羽ばたくウイスキーへ
嘉之助蒸溜所のルーツは、1883年創業の焼酎蔵「日置蒸溜蔵」。
その創業者である小正家は、八幡神社の御神酒造りからスタートし、やがて「メローコヅル」という日本初の樽熟成焼酎を誕生させることになります。
そして2017年、2代目嘉之助の名を冠した「嘉之助蒸溜所」が誕生。
クラフトスピリッツの可能性を信じ、世界に通用するジャパニーズウイスキー造りが始まったのです。

ディアジオ社も注目

― 世界を変えるジャパニーズクラフトへ
2021年、嘉之助蒸溜所はディアジオ傘下の支援会社ディスティル・ベンチャーズと提携。
「ジョニーウォーカー」など世界的ブランドを持つディアジオが、日本の蒸溜所と手を組むのは初の事例であり、その期待値の高さを物語っています。
現在では国内はもちろん、アメリカ、ヨーロッパ、アジア各国へと輸出されており、「KANOSUKE」ブランドは確実にグローバルな存在感を高めています。

まとめ:やさしく深く、和のスモーキー体験を

嘉之助 シングルモルト PEATEDは、
アイラモルトのような重厚なスモークではなく、繊細で旨味のある“和のピート”を表現した、まったく新しいジャパニーズピーテッドの形です。
鹿児島の海風、焼酎樽の記憶、そして小正家の情熱――
すべてが一杯のグラスに凝縮されたこのウイスキーは、
ただ飲むだけではなく、“味わう旅”を提供してくれるはずです。
潮の香りとともに、
やさしくメローなスモーキーの世界へ――。





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