スコッチ・ウイスキーファンにとって冬の風物詩ともいえる存在となった「ビッグピート」。
ダグラスレイン社が造るブレンデッドモルトとして知られ、荒々しい潮風とピートスモークを象徴する“ピートおじさん”は、今年も日本へと上陸しました。
しかし、今年は例年とは少し違います。13年にわたりクリスマスシーズンの象徴として登場してきたサンタ仕様をあえて手放し、今回は**初の「ウィンターエディション」**として新しい表情を見せています。舞台はアイラ島から遠く離れた、陽光あふれる亜熱帯の島・ポルトガルのマデイラ島。
冬の寒さと南国の陽光という対照的な世界が、ウイスキーの中で大胆に融合しました。
マデイラワインカスクがもたらす新たな世界観
ビッグピート ウィンターエディションの最大の魅力は、初採用となるマデイラワインカスクフィニッシュ。
アイラモルトが持つ潮気と灰のニュアンスに、マデイラワイン由来の明るい果実味と濃厚な甘味が重なり、一口ごとに新しい表情を見せてくれます。
まるで、吹きつける海風と異国の太陽がひとつのグラスに閉じ込められたかのよう。
長く暗い冬の夜を贅沢に演出してくれる、まさに“冬の魔法”を宿した一本です。
ビッグピートが愛され続ける理由
その本質は、決して変わっていません。
以下の蒸留所の原酒がブレンドされることは、ビッグピートの大きな魅力です。
• アードベッグ
• ボウモア
• カリラ
• ポートエレン（閉鎖蒸留所）
さらに
ノンチルフィルタード、ノンカラーリング、そしてカスクストレングス
というこだわりも健在。
ピート好きやアイラファンが求める、本物の力強さがそこにあります。
テイスティングノート
香り立つ瞬間からアイラの潮気が広がり、その波間から甘いモルトが立ち上がる独特の構成。
塩キャラメルとバニラの柔らかな甘味がアクセントとなり、やがてスモーキーな灰のニュアンスが力強く押し寄せてきます。
後半にかけては糖蜜、クレームブリュレ、焦がしたオレンジピールが顔を覗かせ、さらに石炭の粉やフェノールが複雑な層を築き上げる、印象深い余韻。
アイラモルトの個性とマデイラ由来の果実味が高次元で交差する、まさにウィンターエディションの名にふさわしい味わいです。
まとめ
「ビッグピート ウィンターエディション」は、寒い冬に寄り添う力強さと、心を温めるリッチな甘味が共存する特別な存在です。
アイラの海風を感じながら、南国の陽光がもたらす華やかなフレーバーがグラスの中で調和する、唯一無二のブレンデッドモルト。
ピートファンはもちろん、冬にじっくり楽しむ一本を探している方にもおすすめの限定エディションです。
冬支度は、今年もビッグに。
あなたのグラスにも、冬の魔法を。
