日本酒蔵が3年かけてたどり着いた、やさしく寄り添うオーセンティックジン
クラフトジンという言葉が広く浸透した今、私たちが出会うジンの多くは、地域性や珍しいボタニカル、強い個性を打ち出したものが中心になっています。もちろん、それらのジンには華やかな魅力があります。しかしその一方で、「何度飲んでも飽きない」「静かな時間にそっと寄り添ってくれる」ような、落ち着いた一本を求める声も少なくありません。
そんな中で誕生したのが、菊正宗 クラフトジン BESIDEです。老舗日本酒メーカーとして長年“飲み飽きないおいしさ”を追求してきた菊正宗が、3年もの歳月をかけて開発した同社初の本格クラフトジン。目指したのは、流行を追いかけた派手なジンではなく、ジュニパーベリー本来の魅力を真ん中に据えた「原点回帰のオーセンティックジン」でした。
BESIDEという名前には、“いつもやさしく隣に寄り添う”という想いが込められています。そのコンセプトの通り、このジンは強く主張しすぎず、けれど確かな存在感を持ちながら、飲む人の時間に自然と溶け込んでくれる一本です。ほっと一息つきたい夜、静かな部屋でゆっくりグラスを傾ける。そんなひとときにこそ、このジンの本質が見えてきます。
ジュニパーベリーを主役に据えた、正統派の味わい
BESIDEの最大の魅力は、クラフトジンでありながら、あえてジュニパーベリーを主役にした正統派の設計にあります。ジンの核であるジュニパーの華やかで穏やかな香りを中心に据えつつ、そこへコリアンダー、シナモン、アンジェリカ、オレンジピール、そして和の個性を感じさせる吉野杉を重ねることで、奥行きのある味わいを実現しています。
注目したいのは、どれか一つのボタニカルが前に出すぎないこと。最近のクラフトジンによく見られる、柑橘の強さやスパイスの刺激、あるいは和素材の個性を前面に押し出すスタイルとは異なり、BESIDEはすべてを“調和”の中に置いているのが特徴です。だからこそ、ひと口目からやわらかく、飲み進めるほどにじんわりと複層的な甘みと香りが広がっていきます。
ジュニパーベリーがもたらす華やかさ。アンジェリカの複雑で重厚なニュアンス。コリアンダーの軽やかなスパイシーさ。オレンジピールの爽やかな甘み。シナモンのふくよかで濃厚な印象。そして最後に、吉野杉が全体をきゅっと引き締める。この6種類が過不足なく組み合わさることで、BESIDEならではの穏やかで洗練された味わいが生まれているのです。
1種類ずつ蒸留する贅沢な製法が、やわらかさを生む
BESIDEがただの“飲みやすいジン”で終わらないのは、その製法に明確なこだわりがあるからです。一般的なジンでは、複数のボタニカルをまとめて蒸留する方法が多く採用されますが、BESIDEは6種類のボタニカルを1種類ずつ個別に蒸留しています。
この手間のかかる製法によって、それぞれの素材が持つ魅力を丁寧に引き出しながら、自然由来ゆえに出やすい重たい香りや辛味、雑味をコントロールすることが可能になります。その結果として得られるのが、香りだけを贅沢に凝縮したような澄んだ印象と、ボタニカル由来の角を感じさせないやわらかな口当たりです。
BESIDEを口にすると、多くの人がまず驚くのはそのなめらかさかもしれません。アルコール度数40%という数字から想像する刺激よりも、ずっと穏やかで、甘みが自然に広がっていく感覚があります。これは、単なる加水や設計の妙だけではなく、蒸留段階から不要な刺激を丁寧に削ぎ落としているからこそ生まれる質感です。日本酒づくりで培ってきた、繊細な味の設計思想がここにも活きているように感じられます。
“甘み・香り・口当たり”のバランスが美しい一本
BESIDEを表現するうえで欠かせないのが、甘み・香り・口当たりの3つが高いレベルで均衡していることです。
まず甘みは、砂糖のようにわかりやすいものではなく、奥からじんわりと湧き上がるような落ち着いた印象。シナモンやオレンジピール、ジュニパーなどが重なり合い、ふくよかでありながら決して重くなりすぎません。次に香りは、露骨な主張がなく、すべてのボタニカルが溶け合った穏やかなアロマ。派手さではなく、静かな上質感があります。そして口当たりは驚くほどやわらかく、ジンにありがちな刺々しさが控えめ。アルコールの強さよりも、香りと味の奥行きが先に立ち上がります。
このバランスの良さがあるからこそ、BESIDEはジン初心者にもおすすめしやすく、同時に飲み慣れた人にも“丁寧につくられた一本”としてしっかり満足感を与えてくれます。奇をてらわないのに印象に残る。そんな静かな実力を持ったジンです。
まずはロックで。変化していく表情をゆっくり楽しみたい
おすすめの飲み方としてまず挙げたいのは、やはりロックです。BESIDEはそのやわらかな口当たりと穏やかな香りによって、最初の一口からアルコールのきつさを感じにくく、じっくり味と香りを追うことができます。氷が少しずつ溶けるにつれて、閉じていた甘みや柑橘のニュアンス、杉の引き締まりがゆるやかにほどけていき、一杯の中で表情が変わっていくのも大きな魅力です。
また、シンプルに炭酸で割るジンソーダも相性良好。香りが主張しすぎないため、爽やかさの中にしっかりとBESIDEらしい骨格が残ります。さらに、ジントニックやマティーニ、ホットジンなど、本格カクテルのベースとしても優秀です。ボタニカルが過度に突出していないからこそ、割材や副材料と調和しやすく、プロユースにも向く設計といえるでしょう。
菊正宗だからこそ生まれた、“寄り添う”クラフトジン
クラフトジンは今や、個性や話題性を競う時代に入っています。そんな中でBESIDEは、あえて正統派であることを選び、ジュニパーベリーを主役に据え、調和と飲み心地を磨き上げました。その姿勢は、長年にわたって日本酒をつくり続け、人の暮らしに寄り添う酒を追求してきた菊正宗ならではといえるでしょう。
菊正宗 クラフトジン BESIDEは、強烈なインパクトを求める人よりも、毎日の終わりにそっと気持ちを整えてくれるような一本を探している人にこそおすすめしたいジンです。華やかすぎず、地味すぎず、静かに上質。オーセンティックという言葉の意味を、改めて感じさせてくれる一本として、これから国産クラフトジンの中でも注目を集めていきそうです。
ジン 40度
菊正宗 クラフトジン BESIDE 700ml 1本 |