スペイサイドの隠れた逸品
スコットランド・スペイサイドの名門蒸溜所が贈る、熟成と香味の極致。
「ロングモーン ディスティラーズチョイス」は、かつて“ブレンダーの夢”とまで称されたロングモーン蒸溜所の真髄を、バーボン樽・シェリー樽・ホグスヘッド樽の多彩な原酒のヴァッティングにより見事に体現した、現代スペイサイドを代表するシングルモルトです。
その芳醇さと品格ある甘みは、名高いブレンデッド・ウイスキーの“トップドレッシング”として重用されてきた理由を、飲むたびに実感させてくれます。
フルーツとクレームブリュレのとろける香り
味わいに潜む絶妙なバランス美
香り:立ち上がるのは、熟した洋梨や黄桃のような甘やかなフルーツ香。そこにバニラとクレームブリュレの香ばしい甘みが重なり、まるでパティスリーにいるような芳醇さ。
味わい:口当たりは非常に繊細でシルキー。洋梨、ミルクチョコ、麦芽の優しい甘さが広がり、チョコレートや加糖コーヒー、キャラメルへと移り変わります。
余韻:杉のようなドライウッドのニュアンスがクリーミーな余韻と共に静かに長く続き、奥行きと安定感を感じさせてくれます。
口に含んだ瞬間から飲み終えるまで、完璧なバランスで構成されたこの1本は、まさにロングモーンの集大成ともいえる味わい。派手さではなく、しみじみとした深みと品格が胸を打ちます。
日本ウイスキーの“原点”にして“聖地”
若き竹鶴政孝が学んだ、スコッチの心
1919年――
まだ無名の青年だった竹鶴政孝が、スコットランドに単身で渡り、ウイスキー造りを学んだ場所。
それが、このロングモーン蒸溜所です。
彼は数ヶ月にわたりこの蒸溜所でポットスチルを掃除し、醸造や蒸留の工程を肌で学びました。
その際に綴られた詳細なノートは、帰国後に日本初の本格ウイスキーを生み出す基盤となり、やがてサントリーの山崎、そして自身が創業したニッカウヰスキーの余市蒸溜所の設計図にもなったと伝えられています。
つまりロングモーンは、日本のウイスキー文化を築いた源流とも言える特別な場所。
“日本の原点にして、スコッチの聖地”という重厚な物語を背負った、唯一無二の存在なのです。
100年以上の歴史を今に継ぐ、クラフトの系譜
1894年、スコットランド・エルギン郊外に建てられたロングモーン蒸溜所。
創業者ジョン・ダフの手によって操業を開始し、その後、シーバスリーガルやロイヤルサルートといった名門ブランドの中核を担う最高品質の原酒供給元として成長してきました。
この「ディスティラーズチョイス」は、そんなロングモーンの魂を今に伝えるべく、2016年にリリースされた新たなオフィシャルボトル。
バーボン樽の華やかさとシェリー樽の奥行き、さらにリチャーしたホグスヘッド樽が複雑さを添え、洗練された“スムース&バランス”を体現しています。
隠れた銘酒を、今こそ日本のグラスへ
知名度としては決して派手ではないロングモーン。
しかし、その実力は多くのブレンダーやウイスキー愛好家たちが認めてきた“知る人ぞ知る逸品”です。
アードベッグやマッカランとはまた違う、“静かなる実力者”としての魅力。
それは一度グラスを傾ければ確信に変わることでしょう。
こんな方におすすめ
• クラシカルでバランスの取れたスペイサイドモルトを探している方
• 竹鶴政孝のルーツを辿りたいウイスキーファン
• シーバスリーガルなどのブレンデッドが好きで、その中核を体感してみたい方
• 食後にゆっくりと“深み”を味わいたい方
ロングモーン ディスティラーズチョイス――
それは、語られざる名蒸溜所の名品。
“物語”を持つウイスキーは、多くあれど、“歴史をつくったウイスキー”はそう多くはありません。
このボトルに触れたあなたもまた、ひとつの歴史を辿る旅人となるでしょう。🥃✨