田苑酒造
明治二十三年(1890)塔之原 天神地区で塚田酒造場として創業いたしました。塚田酒造の創業者 塚田祐介は、西南戦争に参戦した父子四人のうちの一人生き残り樋脇に戻った者で、焼酎博士 塚田定清(田苑酒造 特別顧問 2007勇退)の曾祖父にあたります。創業当時は樋脇の米を使った、玄米焼酎「つかだ」を製造しておりました。「田苑」という名前ですが、初代社長(故)本坊豊吉(当時本坊酒造・薩摩酒造社長を兼任)が樋脇町を訪れた際、工場周辺の景色を眺めて、「本当に田園風景の豊かなところですねぇ」と言った、この一言に由来しております。ここから田園の「園」を「苑」に変え高尚なイメージを持たせ田苑酒造の名前が生まれました。
その後、平成三年にはクラシック音楽を聴かせた焼酎製造など、独自の技法なども取入れ、「田苑はベートーベンの田園を聴いて、一段と美味しくなりました」というキャッチコピーで展開してまいりました。現在、東京・大阪を中心に麦焼酎「金ラベル・田苑ゴールド」を製造・出荷。樽貯蔵の麦焼酎としては弊社が最初に開発し、好評を得ている看板商品です。また地元鹿児島では「田苑 芋・田苑 黒麹仕込み」を積極的に販売しております。
田苑焼酎は麹つくりから発酵、蒸留・貯蔵に至るまで、薩摩に伝わる伝統的な製法を各工程ごとに科学的に分析し製造しています。
きっかけはBGM
当社が音楽仕込みにはじめて取り組んだのは、1990年のことです。社員からの「工場内にBGMを流して欲しい」という要望に、クラシック音楽であれば…ということで音楽が流れ始めました。6ヶ月経った頃、スピーカー近くの発酵タンクだけ発酵が早いとの声が製造担当者からあがりました。最初は半信半疑でしたが、度重なる声に研究がスタートしたのが音楽仕込みの始まりです。
音楽を振動で聴かせる
クラシック音楽をただ流しているのではなく、発酵タンクや樽貯蔵に特殊なスピーカーを取り付けて、音を振動に変えて伝えています。もろみ工程では発酵促進につながり、貯蔵工程では熟成効果がさらに向上し、口当たりもまろやかになり。味わいに気品が生まれました。さらにおいしい焼酎を皆様にお届けするために、田苑焼酎の音楽熟成は日々研究中です。
音楽振動熟成システム
洒・食品にスピーカで音楽を聴かせても効果はありません。人間や乳牛には聴覚や大脳もあり、音楽を聴くと心が和んだりリラクセーションの効果があります。乳牛が音楽を聴くと乳が多く出るようになります。しかし、酒や食品は聴覚も大脳もないので、人間と同じ方法で音楽を聴かせても音楽は分からないし効果もありません。酒・食品にも理解できる音楽の聴かせ方が必要です。
洒・食品に対して音楽を聴かせるには「情報を持つ音楽振動」 として感じさせることが必要です。ボディソニック・トランスデューサ(電気-機械振動変換機)で音楽振動に変えて付与します。振動は水の分子構造、熟成、酵母菌の活動にも様々な効果があります。音楽には楽しくなる、リラックスするなど情緒情報が含まれ、曲が変われば情報も変わります。物理的に分析しても、曲によって「周波数スペクトル」や「ゆらぎ」など物理的パラメータが異なります。音楽が変われば及ぼす効果も変わります。音楽振動には情報が含まれ・バイブレー夕などの単なる物理的振動とは全く異なります。
振動といっても、ステンレス製の醸造タンクなどにボディソニック・トランスデューサを付けて音楽振動を与えるので、醸造タンク自体が音響スピーカとなり美しい音楽が聴えます。また、タンクに触ってみれば音楽の振動が手に伝わってきて、音楽が酒・食品に及ぼしている効果が感覚的に確認でき、実感が伝わります。この方法が酒・食品に音楽を聴かせるのに理論的(輪文、データがあります)、雰囲気的、感覚的に最もふさわしい方法です。