繊細さの極み、時を映す静謐な味わい ― ノッカンドゥ 12年 ―

繊細さの極み、時を映す静謐な味わい ― ノッカンドゥ 12年 ―

スペイサイドの深奥、ノッカンドゥ村の静かな谷間で蒸留される「ノッカンドゥ 12年」

その名はゲール語で“小さな黒い丘(Knock-an-dhu)”を意味し、1898年の創業以来、変わらぬクラフトマンシップのもとで、極めて繊細なシングルモルトを作り続けてきました。
ノッカンドゥの最大の特徴は、その驚くほどにデリケートでクリーンな味わい。ライトボディでありながら、ナッツのような香ばしさ、花の蜜のようなフローラルさ、そしてほんのりとしたスモーキーさが繊細に層を成し、他のスペイサイドモルトにはない複雑で優美な印象を与えます。
カスク構成も、ピート香や樽由来の香味が原酒を覆い隠さぬよう、ピートの使用量は最小限に、シェリーカスクの比率も抑えめに管理。ウイスキー本来の持つ透明感を際立たせる、まさに“引き算の美学”による一杯です。

テイスティングノート

色:淡い琥珀色
香り:クロフサスグリを思わせるフルーティさに、上品な花の香り、かすかにナッティなトーン。加水によりシリアルや肉の香り、さらには焦げた紙のような変化も。
味わい:ライトボディで、中心に心地よい甘さが広がり、その後にかすかな酸味とドライな余韻が続く。全体としてクリーンで飲みやすく、後味も爽やか。

季節を刻む“シーズン・ボトリング”

ノッカンドゥ蒸留所では、毎年の生産分を「シーズン」として明確に管理。ボトルにはその年の蒸留・ボトリング情報が記載され、単一のシーズン原酒のみが詰められるというスタイルを採用しています。
これはシングルモルトの世界でも極めて稀であり、時の記憶を宿す一本として、高い評価を受けています。

蒸留所と伝統

スペイ川のカーブ沿い、人里離れた場所にひっそりと佇むノッカンドゥ蒸留所。パゴダ屋根が木々の合間から覗くその景観は、まるで物語の中の風景のように幻想的。
創業から100年以上にわたって変わらぬ手作業と技術を守り続けており、大量生産とは一線を画した“静かなこだわり”が、ノッカンドゥの個性を支えています。

「華やかでも派手すぎず、穏やかでも平坦ではない」

――そんな大人のバランス感覚が光るノッカンドゥ12年。
気取らず楽しめる中に、じわじわと広がる奥深さ。
夜のひとときに静かに寄り添う、珠玉のスペイサイドモルトです🥃✨





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