可愛らしい犬のラベルに、軽やかな甘み――
「スカリーワグ」は、そんなチャーミングな第一印象とは裏腹に、実力派のスペイサイドモルトブレンドとして多くのウイスキー愛好家に支持されています。
そのスカリーワグが、シェリー樽の中でもペドロヒメネス(PX)樽に特化した“黒い誘惑”として生まれ変わったのが、今回ご紹介する
スカリーワグ ノワールエディション。
甘美でスパイシー、そしてミステリアス――
飲むたびに解き明かされる、奥深く濃密なウイスキーの世界をご堪能ください。
シェリー樽の極み、PXフィニッシュで深化する贅沢
「スカリーワグ ノワールエディション」は、通常のスカリーワグと同様に、
マッカラン、モートラック、グレンロセスといった、シェリー樽との相性に優れたスペイサイドの名門蒸留所の原酒を主軸に構成。
そこへ、世界で最も甘美と称されるペドロヒメネス(PX)シェリー樽でのフィニッシュを加えることで、
深く厚みのある甘さと、ベルベットのような質感を生み出しました。
これは単なる“甘口ウイスキー”ではありません。
スパイス、ドライフルーツ、そしてウッディネスが幾重にも絡み合う、贅沢なレイヤー構造があるのです。
テイスティングノート
― 甘さと妖艶さの絶妙なバランス
香り:ダークチョコレートとスパイスが最初に立ち上がり、次第にシェリー漬けレーズンやドライイチジク、黒糖のニュアンスが鼻腔を包みます。
味わい:シロップのような濃厚さと、ピリッとした胡椒のアクセント。チョコ、熟した果実、ナツメグ、そして仄かなオークの渋み。
フィニッシュ:ハチミツ、イチジク、ブラックチェリーが溶け込むように残り、静かに、しかし長く余韻が続きます。
まさに、リキュールのような妖艶さと、ウイスキーとしての芯の強さを両立した逸品です。
ラベルの裏にある物語
― レイン家の愛犬とクラフトマンシップ
ラベルに描かれている犬は、創業家レイン家の愛犬をモチーフとしたもの。
“スカリーワグ”とは、英語で「いたずらっ子」「やんちゃ坊主」という意味を持つ言葉で、
その名の通り、陽気で自由なイメージがこのボトルに息づいています。
しかし、中身は名門スペイサイドの原酒を惜しげもなく使用した本格派。
軽やかに見えて実は奥深い――そんなギャップこそが、スカリーワグの最大の魅力かもしれません。
生みの親・ダグラスレイン社の哲学
― 妥協なき品質のブレンデッドモルト
「スカリーワグ」を生み出したダグラスレイン社は、1948年にグラスゴーで創業。
もともとは海運業から始まり、やがてスコッチウイスキーの輸出とブレンドにその情熱を注ぎ込むようになりました。
彼らのウイスキー造りの信念は明快です。
“シングルモルトに満たない樽は、使わない”
つまり、ブレンデッドモルトであっても、シングルモルトに匹敵する原酒のみを使用するというスタンスを一貫して貫いています。
その結果として生まれた「リマーカブルリージョナルモルト」シリーズは、今や世界中の愛好家にとって“信頼のブランド”となっています。
チョコレートとのマリアージュもぜひ
スカリーワグ ノワールエディションは、ダークチョコレートやナッツ系スイーツとの相性が抜群。
まるでデザートのような濃密なペアリングが楽しめます。
特にカカオ含有量の高いビター系チョコや、レーズン入りのボンボンショコラなどと合わせると、
このウイスキーの潜在的な甘みとスパイス感がさらに際立ちます。
まとめ:黒きスカリーワグ、その深淵に沈む
スカリーワグ ノワールエディションは、
PXシェリー樽の持つ魅力とスペイサイドモルトの華やかさ、
そしてダグラスレインの技術が結集した、まさに“ダークラグジュアリー”な一本。
ラベルに油断してはいけません。
これは、ただ可愛いだけのウイスキーではありません。
口にすれば誰もが沈み込む、甘くて妖しい、ダークサイドの快楽。
スペイサイドの実力を、ノワールな香りとともに――
今宵、グラスの向こうに広がる闇に身を委ねてみてはいかがでしょうか🥃✨